こんにちは.
宇宙機についてまとめたくなったのでまとめます.
今回はイントロです.
盛り上がる宇宙開発.ついこの間,JAXAが革新的技術実証プロジェクトの第一弾を打ち上げて,見事,ユニークな技術をもった衛星たちの投入に成功しています.20年代にも様々な計画が予定されていて,今後の発展がとっても楽しみです.
そんなこんなで,ふと宇宙機についてまとめとこってなんか思いました.はい.
ここでは,現状設計・製造・利用されることの多い「衛星」や「探査機」に絞り,これらを総称して宇宙機と呼ぶこととします.
基本的に,宇宙機のシステム構成は以下のようになっています.
バス系:
- 電源系
- 姿勢・軌道制御系
- 構造系
- 熱制御系
- データ処理系
- 通信系
- 推進系
ミッション系:
- ミッション内容による
より広い「システム」として捉えるのであれば,ここに,
打ち上げ(ロケット)系
地上通信局系
なども含まれます.
宇宙工学というのは,ざっくりいえば宇宙機を飛ばすための工学ですから,宇宙機のシステム構成がどのようになっているか,どういった要素があるのかを見ていくと,そのまま宇宙工学につながる各分野が見えてきます.
電源系は,電気電子系や電気化学.
姿勢・軌道制御系は,力学(姿勢・剛体の力学,天体力学,軌道工学),制御工学.
構造系は,材料・構造力学・振動工学.
熱制御系は,熱力学・伝熱工学.
データ処理系は,電気電子,情報工学.
通信系は,電気電子工学.
推進系は,推進工学.
などなどが関わってきます.
上記がまさに, 宇宙工学が総合工学と言われるゆえんですね.
ちなみに,航空宇宙工学科では,基本的に電気系の授業は少なく,サブシステムでいえば,姿勢・軌道制御系,構造系,熱制御系,推進系の部分を重点的に学ぶことになると思います.
ところで,よく聞く流体力学ないやん!と思われるかもしれませんが,基本的に,流体力学は,航空機向けに学ぶので,宇宙機に関しては必須級ではありません.ただし,推進工学は流体力学の知識が必要ですし,はやぶさであったような再突入カプセルやスペースシャトルのような宇宙往還機の設計などは,高速流体力学的な検証が必須です.
スペースシャトルといえば,民間が,開発中の宇宙往還機が話題です.
最近では,大気を持つ天体(たとえば,火星)などに対して,軌道投入にかかる燃料の節約のため,大気抵抗による減速を積極的に用いる研究なども行われていたり,(エアロブレーキ,エアロキャプチャでググるとよいです.)火星で,ドローンや飛行機を飛ばすことを考えているグループもNASAやJAXAに存在します.こういう研究には流体力学ですね.
宇宙工学に関わっていて,最近特に思うのは,「電磁波」の理解がとても重要だということです.宇宙環境について考えても,太陽からの電磁波だったり,放射線があります.加えて,観測機器として頻繁に利用されるリモートセンシング機器は,赤外線やX線などなどを大いに利用しているわけです.当然ながら通信も電磁波で行いますから,電磁波なくして宇宙開発なしって感じなわけです.なので,また今度,宇宙探査における電磁波についてのまとめのようなものも書けたらなあと思っております.
今回はここまでです!
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