夢を叶える!東大院 航空宇宙工学専攻 院試の勉強法 第1弾 専門科目の概要

どうもこんにちは!記事を見ていただきありがとうございます!

これから,大学院で東大航空宇宙を目指す方のお役に少しでも立てたらとの思いのもと

院試勉強法について書いていきます!

第1弾の今回は,専門科目の概要についてです!おすすめの参考書も紹介していますので,ぜひチェックしてみてください.

第2弾,3弾もあります!実際の体験談を書いた記事も用意していますので,そちらもどうぞ!

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専門科目の出題内容について

第1弾は東大航空院試の専門科目についてです.東大航空院試の専門科目には大きく4つ存在します.

  • 流体力学
  • 固体力学
  • 航空宇宙システム学
  • 推進工学

これら4つの科目それぞれに大問が存在し,午前4題と午後4題の計8題出題され,午前午後ともに4題の中から3題選びます.いろんな分野から出題するための2部制(3時間+3時間)であると考えられ,大きな括りは同じでもその中で異なる分野の問題が午前と午後で出題されます.(例えば,流体ならば,午前:ポテンシャル流,午後:圧縮性流体というような具合です.)

さて,ここで問題になるのは,どの分類に航空宇宙工学科で学ぶ各科目が含まれるのかということです.そこでまず,航空宇宙工学科で学ぶ科目を列挙してみます.

理想流体力学(ポテンシャル流),粘性流体力学,圧縮性流体力学(高速流体力学or気体力学),材料力学,構造力学,弾性力学,機械力学(振動工学),古典制御工学,現代制御工学,航空力学,宇宙航行力学,宇宙機の姿勢制御,熱力学,熱流体力学,ロケット工学…etc

ざっと挙げてみました.ぱっと見でも分かるように,要は数学と力学です.

そしてこれらの科目がそれぞれどの分類で出題され得るかというと,

  • 流体力学

理想流体力学(ポテンシャル流),粘性流体力学,圧縮性流体力学(高速流体力学or気体力学)

  • 固体力学

材料力学,構造力学,弾性力学

  • 航空宇宙システム学

古典制御工学,現代制御工学,航空力学,宇宙航行力学,宇宙機の姿勢制御

  • 推進工学

熱力学,熱流体力学,ロケット工学,機械力学(振動工学)

このようになります.ここで特筆すべきは,

機械力学が推進工学に分類されていること

です.

どこが推進やねん!と突っ込みが入るのは毎度のことらしいですが,機械力学は教養の力学の延長線上少し先程度なので,他の科目に比べて勉強しやすいと思います.しかも,僕の受けた年の推進工学では, 円運動に関する力学(電磁気学も少し含まれてましたが高校で物理を普通に学んでいれば何も問題ないレベル)の問題が出題されました(航行力学も意識していたのかも?). 簡単な数学をするだけだったので,大問ほとんど得点できたと思います.このように,比較的簡単な出題が多いので, 推進工学は穴場であると捉えましょう(勿論難問はありますよ).

オススメ勉強法

この中で,工学部の一般的な機械系で学ぶ科目は,

流体力学(理想+粘性)

材料力学(+構造力学)

機械力学(振動工学)

熱力学

となっており,東大航空の出題もこれらの分野が基礎です.

そして,この4つの力学を対策するのに,有名な問題集があります.それが以下の「機械系大学院への四力問題精選」です.時間に余裕がある方は取り組むことをオススメします.

しかしながら,この問題集は誤植が散見され,僕も何度か苦しめられました.

結局全ては解いていませんが,上記の基礎科目の演習にはもってこいです.

なにより一冊で4科目以上(中には,高速流体を扱った問題などもある)対策できますし,解答付きなので効率良く勉強できます.

総合的にモチベーションが持続しやすいというところが利点です.

ただ,勘違いして欲しくないのは,

この問題集だけでの合格はかなり難しい

ということです.

この問題集はあくまで基礎力をつけるため(とはいっても,理解の及んでいない単元などはとても難しく感じることも多々ありました.)の補助として用いるのがオススメです.

メインで勉強するべきなのは当然ながら,

東大航空院試の過去問

です.

過去問は,東大本郷キャンパスの工学部プリントセンター(工学部13号館)で購入することができます.

取り寄せも可能なので,ゲットしましょう.

さて,勉強法ですが,機械系の人でも(まして航空宇宙学科の僕でも)学部の勉強が適当だと,解いてみてもさっぱりわかりません.

その上,解答はありませんから,すぐに詰む訳です.

つまり,

教科書が必要です.

(どうやら解答は内部生のあいだで非常に硬い防御で守られているらしく,それを入手するのは外部受験生には至難の技で,おそらく外部入学の僕も手に入れられないと思います.)

解答が手に入れられなかった当時の僕は,教科書を必死に探しました.それが次に示す参考書たちです.お世話になった本ばかりです.(僕の学部の教科書も含まれています.)

流体力学の参考書

  •  流体力学

個人的に専門科目の勉強の半分くらいの割合を占めてた科目です.航空工学の中で花形分野と言われるだけあって,参考書が多く,勉強を進めやすかったです.院試の出題難易度の点でも,手も足も出ないような問題は少なかったと思います.特に,圧縮性流体は取り所です.本番では午前・午後とも7〜8割くらいは得点できたと思っています.

航空学科に特化した流体力学について記述された参考書で,ポテンシャル流に関する記述がメイン.東大の航空の現役の先生が主な執筆を担当しているので,出やすいのでは?と考え購入.見通しが良い教科書だったので,読み物として非常によかった.

こちらは,流体力学全般を取り扱った教科書.章末問題などが基礎的だが重要な点を抑えていて,過去の東大の出題にも頻出するような内容を学ぶことができた.2色カラーで図などが見やすく工夫されており勉強しやすかった.

こちらは,東大の学部生が使用しているとのことで,即刻購入した.内容は,圧縮性流体力学(高速流体力学)に特化していて,分厚い.つまり詳しくて難しいところも多い.ただ,辞書代わりにオススメ.繰り返しになりますが,東大航空の院試では,圧縮性流体力学は必出な上に,簡単な問題が多いので,ここを取らずにどこをとるって感じ.航空宇宙学科の専門科目でまず手をつけるなら, 絶対この科目.

空気力学入門と同様,日本航空宇宙学会が出しているテキストシリーズのひとつ.前述の参考書に比べ,かなり記述量は減っているが,ポイントが抑えられていて勉強しやすい.圧縮性流体はこいつメインにしてたと思う.

追記: 僕が受験した当初は発売されていませんでしたが、日本航空宇宙学会のシリーズで、粘性流体力学のものも発見しました。粘性流体に関しては、これ!という参考書がなかなかなかったように思いますので、こちらもおすすめしておきます。第一著者の鈴木先生も、超音速流体で有名な東大の先生です。

固体力学の参考書

  • 固体力学

僕はとにかくこの固体力学系の科目が苦手で苦労しました.固体力学苦手なのに学部の研究室は構造系っていう…お天道様が勉強しろって言ってんのかな…

カラーなので,とにかくイメージしやすい.材力の基礎はこいつで大体学びました.

東大航空の学部で使用されてるとか.意味わからんくらい難しいんだが?????参考程度に頑張って読んでました.(ほとんどこの分野捨ててたけど,こいつチラっと勉強してたおかげで幾分か点数とれたはずだから,ほんと運が味方した)

あとここ↓

http://www.fml.t.u-tokyo.ac.jp/lecture/lecture_1/material_mech_text2014_ver1.2.pdf

に、東京大学工学部機械系学科の材料力学のノートが公開されていたので,同じ東大だしなんか多少は一緒かも?とか思って使っていました!普通に分かりやすいのでおすすめです.

航空宇宙システム学の参考書

  • 航空宇宙システム学

学問的にはこいつが一番おもろそうなんですが,他分野の人からしたら鬼のカテゴリー.航空宇宙学科の僕でもちょっと敬遠するくらいですから...僕の年は,急に傾向がガラリと変わって,そのページだけ光速で飛ばしました.あのときは震えました.詳細はこちらで.

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ただ,制御工学に関する問題は他の分野に比べて手堅くとれると思います.僕の年は,制御工学メインが一問も出なかったので,後回しにしました.

 

この本,5月くらいに研究室見学行った時にお話ししたドクターの先輩が教えてくださった参考書.神の召されし書物ですか???最高です.この本.すごくいい.流体のことも沢山の載っているので,流体の勉強にもなるし,東大航空院試の航空力学系の問題を解く上でのヒントがこの本で得られます.というか,ネットで調べてもなかなか出てこないし,この本くらいしか記述してないのでは?というくらいニッチすぎることを聞いてくるんです.MUST BUYよ!!EVERY ONE!!

あとは、こういうのも、あります。著者の加藤先生は、東大航空の先生だった方です。授業でもいまだに使われているとかなんとか。ですが、個人的には院試勉強には必要ないと思っています。航空機力学の研究室を狙っている人は、積極的に手にとってみるとよいかもです!

 

 

宇宙工学関係はこの本で学びました.といっても姿勢制御の問題なんかは難しくて,なかなか解けないんだよね.この分野の研究室に内定してますが,院試では避けてました笑

追記190426:この分野専攻する場合には、とっつきやすくて非常に良い本です。ほぼ絶版なので、図書館へGOですが笑

こいつで,航行力学(軌道力学)を学びました.星の引力を受ける宇宙機がどのように運動するか学ぶ科目です.5年に1回くらい出てた印象です.

追記190426:当時はこいつで頑張りましたが、正直他に良書はたくさんあります。そのあたりは、以下の記事を参考にしてみてください。

古典制御理論を中心に,具体的な工学の例題を通して学べます.

現代制御理論についてまとめられた教科書です.証明も豊富に記述されています.

古典制御を豊富な練習問題を通して実践的に学べます.計算方法や公式の適用方法で重点が置かれているので,教科書の理論を一通り理解してからやるのが効果的だと思います.

前述の参考書の現代制御バージョン.こちらもオススメです.

追記190426:当時は使用しませんでしたが、ふと図書館でみかけて、分かりやすかったので、以下もおすすめです!

推進工学の参考書

  •  推進工学

こちらも東大航空の学部で用いられているらしいとの情報を見つけ,即購入.サイクルに関する話の他,「流れ」を扱った章も存在し,これは圧縮性流体とも関連があるのですが,ジェットエンジンの流れやロケットエンジンの流れに関する問題で頻出だったので重宝しました.オススメです.

僕の大学の学部の教科書です.なんだか好かんかったですが,基本はこいつで学びました.カバーしている幅は広く,上述の内部流れに関する記述もちらほら.

自大の教科書です.振動工学は大体こいつで学びました.まあどんな教科書でも大丈夫だと思います。基本的には,数学するだけなので,取り所です.

振動工学は,推進工学の分野でほぼ必出です.午前か午後のどちらかには出ます.(しかしなぜか,僕の年は,固体で振動っぽいものが出て,推進は毛色の変わったものが出ましたので,注意が必要です.)

ツィオルコフスキーのロケット方程式は出たことがあるので,それの勉強のために図書館で借りるなどしてもよいと思います.

前述の教科書でも基礎方程式などは学べますが,こちらは東大の先生がおすすめしていた教科書です.最新のロケットに関する記述などもあるので,面白いです.

以上長々と使用した教科書・参考書・問題集を紹介しました.分野がかなり幅広くて,大変ですが,僕は過去問を解きながら,詰まってしまったら,いろんな参考書を覗いて,答えに使えそうな箇所を探すというような方法を取っていました.それでも見つからない時は,ネットで調べたりもしていましたが,それでも分からないことは多々あります.辛抱強くやるしかないですね…

第1弾はここまでです!コメント等あれば、遠慮なくどうぞ!

 

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