小惑星リュウグウに水が発見!はやぶさ2

快進撃を続けるはやぶさ2.先日2月22日には,タッチダウンを成功させ,来る4月5日には,SCI運用が控えています.

そんな中,リュウグウの表面の解析が進み,ついに,リュウグウに水が存在することが明らかになりました.

ちなみに,水の検出には,近赤外分光器(NIRS)を用いています.小惑星表面からくる光(電磁波)を検出し,波長(周波数)ごとに,光の強さを分類することができます.理工系の人には,フーリエ変換しているといった方がわかりやすいでしょう.

物質はその種類によってそれぞれ固有の電磁波を発しています.

水においては,OH基の伸縮振動によって(3 μm 付近)で,特有のピーク損失(吸光)が見られます.そのため,水が小惑星表面に存在する場合, 3μm付近 で,光の強さが弱いデータを得ることになるわけです.こういった波長ごとに吸光の特徴などを捉えることが,光・電磁波を使用して含有物質を明らかにする原理です.


分光器による周波数スペクトル解析結果
K. Kitazato et al,
The surface composition of asteroid 162173 Ryugu from Hayabusa2 near-infrared spectroscopy,March 19, 2019
http://science.sciencemag.org/content/early/2019/03/18/science.aav7432

すべての波長域を検出できるような分光器は,当然バカでかいものになりますし,いわば水の存在を確認するためだけに(当然重要なことです),この3μm付近(図では2.7μmにがくっと落ちているところが見られる)の波長帯をカバーした検出器であるNIRSが,はやぶさ2には搭載されているんです.

また,水のように,特徴的な吸光現象などを有する物質でない限りは,存在の有無を確認するのは難しくなります.光や電磁波を用いた観測にも限界があるわけです.だからこそ,試料を持ち帰り,地球の整った設備で,質量分析を行うことに意義があるんですね.

ぜひとも,サンプルリターンまで成功したいところです!

これから,まだまだ新しい知見が得られていくことでしょう!

楽しみですね!

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