こんにちは!
今日は,最近読んだものでおすすめできるな!と思った本があるのでご紹介します.
それがこいつです!
- 作者: 篠本滋,坂口英継,益川敏英,植松恒夫,青山秀明
- 出版社/メーカー: 東京図書
- 発売日: 2013/10/10
- メディア: 単行本
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おいおい力学の教科書かよ〜
という声が聞こえてきそうですね笑
機械系エンジニアにとって力学は,最も重要で基本的な解析ツールだと言えます.
力学と数学がともに発展してきたことはよく耳にすると思います.
数学は,究極的に厳密さを追求し一般化することを目指しますが,そのことが往往にして学ぶ側の理解を難くしているのは火を見るより明らかです.
しかし,工学の立場にたったとき,誤解を恐れずに言えば,
数学の難解な概念や詳細な証明にフォーカスするよりも,
その概念がどのように応用できるのか,どんな現実的な問題・課題を解決できるのかということを知ることは非常に重要です.
「使えればいい」精神を支持している訳ではなく,導入の面において,力学と数学の関連を直接感じながら学べることが必要なのではないかという話です.
また,応用先,適用方法を知ってから,再び抽象化した概念に立ち返り眺めることで,数学的概念の理解をより簡単にするのではないでしょうか.
このような観点から力学を学ぶ上で,推薦できるなと感じたのが,今回の本になります.
本書は大学1年生の教科書を想定していますが,テイラー展開や常微分方程式の解法など数学の授業で学ぶまで理解を進められないような工学上重要な道具についてもきちんと必要になったその場で説明がなされているので,別の数学の教科書を開く必要もありません.当然詳しく学びたければ,学べばよいですが,力学を素早く俯瞰するという点においては十分な程度の説明がなされています.
古典力学について述べながらも最新の話題が随所に盛り込まれていることや,力学に貢献した偉人がどのように考えて法則を見出したかなども取り上げていることが,「飽き」という障壁を完全に取っ払ってくれます.大学高学年向けの発展的内容も含まれており,初学者はもちろん学び直しを考えている大学高学年の学生,社会人,意欲のある高校生の方にもおすすめです.
何より,微小重力環境,惑星の運動,ダークマター,スイングバイ,三体問題,地球の歳差運動等の宇宙工学・宇宙物理学に関連するコラムを扱っているページが他書よりも多く見受けられる点は,私がこの本を購入するに至った重要なポイントです.
宇宙に興味があって,物理学をこれから学ぼうとされている方や学び直してみようと考えている方の最初の一冊におすすめです.
ぜひ,書店で手にとってみてください〜!
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